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【「孤独」と「生」を感じた、映画 0.5ミリ】

最近、映画やドラマを見たり本を読んだりして楽しんでいる。以前はドラマとかテレビをほとんど見ていなかったのに、もっとエンタメを楽しみたい欲が最近とても強く時間をとるようになってきた。今回、Amazonprimeで見たのは、映画「0.5ミリ」。安藤桃子の小説を原作にしたもので、主演は安藤サクラ、木内みどり、 津川雅彦、坂田利夫など。明るい映画ではないが、でも安藤サクラ演じる、サワの存在にあたたかさと、生きる上での大切な何かを感じる映画だった。

老人の行き場のなさと「孤独」

映画の中には、自分や伴侶の老いを感じながらも、なんとかプライドを保とうと生活している老人。家族からも相手にされず、だまされてもいいから、自分の話を聞いてくれる相手が欲しく詐欺にひっかかりそうになる老人などがでてくる。そんな老人を見ていて、老いがわが身に降りかかってくる悲しさや、社会に取り残されていく様子から、「孤独」を感じた。そんな老人の生活に入り込んでいくサワ。このサワの存在が老人たちの癒しになっていく姿が心に残った。

映画の中のサワの存在から「生」を感じる

映画のサワの登場シーンでは音が印象的だった。サワが料理をする音。洗濯物や掃除をする音。介護をする音。生活音がはっきりくっきりと聞こえてくる。サワのひとつひとつの生活の動作がゆっくりと丁寧で、音としてもはっきりと聞こえる様に描かれているのだ。サワが生活に入り込んできたことで、老人たちの音のない世界が音のする世界に変わっていく。そんなサワの音から、生きる「生」と生活の「生」を感じた。サワはなぜ老人たちの孤独の癒しになっていったんだろう。と考えると、老人たちと一緒に生活をしているからだろうと思う。「一緒に生活をする」と言っても、老人たちの生活をこなすという感じでない。料理をこなす、買い物や洗濯をこなす、老人たちのお世話をこなすというのでなく、一緒に、ともに生活する。という感じ。老人たちのスピードや、生活の中で大切にしたいことなどを、本人を置いてけぼりせず一緒に。というか。(この映画では、介護の場面は多く出てこない。だから余計に「こなす」とうい雰囲気が少ないのかもしれない)

試しに、私も生活の中で音を少し意識してみた。水で野菜を洗う音、玉ねぎの皮をむく音、包丁で切る音、ほうきで部屋をはく音、お風呂に入る水の音、ベッドの布団を直す音など。なんだか新鮮。今まで流れ作業でやっていた事も、音を意識をすることで、自分が生きている実感が増す。音を意識するって自分のやったことを反芻するという行為な気がする。毎回はもちろんやっていられないのだけど、少し気持ちがささくれだった時などに音を意識してみると癒されるような気がした。

そして、確実に老いていく親の存在を思った。自分の生活でいつも手一杯で、時間をあまりとっていないので、実家にもう少し定期的に顔を見せないといけない。しっかりと意識しないと多分やらないことなので、これからはこの日は行くと決めていく必要がある。

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